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2013年03月06日

「金曜官邸前抗議 ---デモの声が政治を変える」(野間易通著)

金曜官邸前抗議 ---デモの声が政治を変える



タイトルの通り、去年の春から毎週首相官邸前(や国会周辺)で行われている抗議行動についての、中心スタッフの一人による記録です。
読んでみると抑えた文体で読みやすい。著者の個人的意見も所々に入っていますが「あくまで個人的意見」として客観的事実とは区別されているので、全容が把握しやすいです。
twilogで遡ってみると、12/29に注文。1/9に「明日から読み始められる」と言って、1/12に「読了」だから、3日ほどで読み終わってるんですね。その時に付箋を貼ったページを今読み返しながら、この記事を書いています。

読みながら、自分の行動も振り返りました。脱原発の様々な動きはIWJによる中継などである程度はチェックし、時々は地元の街頭デモにも参加していました。大阪・関電本店前の抗議活動(TwitNoNukes大阪主催)に参加したのは6月になってから。原発ゼロが実現した翌月、大飯原発の再稼動が目前に迫り、官邸前でも関電前でも抗議行動の参加者が爆発的に増えていった時期です。

その後、京都で関電支店を囲んでの抗議をやるという話を聞いて、神戸でも何かできないかとあちこち連絡を取っていたら、「ZEROこねっと」というグループが手を挙げてくれました。まだ参加したことはないですが姫路でも毎週やっているようです。他にも全国各地で様々な反原発行動が行われていますが、「定期開催」スタイルが広がったのはこの6〜7月の時期でしょう。

さて、この本を読むと、首都圏反原発連合という集団が、内部での意見の食い違いや参加者からの批判など、いかに様々な困難に直面し、それを乗り越えてきたかがよくわかります。Twitterでコアメンバーたちの発言を見ていて、とっさにその趣旨が理解できない時はあります。それでバッシングを受けている姿もよく見かけますが、よくよくじっくり見ていれば、それなりの論旨や根拠があって、最終的には納得できる場合がほとんどなんですよね。そこには、困難を乗り越えてきた経験が詰まっています。

だからこの本は、「首都圏反原発連合、なんだかよくわからない」とか「何となく反発を感じている」という人たちにこそ読んでほしい、と思います。

何しろ、これだけ「リーダーに率いられた団体」ではなく「個人の連合」による市民運動に多くの人がコミットしたのは、少なくとも日本の歴史上初めてのことでしょう。2011年ごろに行われていたいくつかのデモでは、新しさに対する期待と同時に不安を感じる部分もあったんですが、直接にしろ間接にしろ、実際に接していく中でそれは信頼感に変わってきました。

なるほどなあ、と感心したのは、「あくまで首相官邸に向かって抗議の声をぶつける」という行為が共感を呼び、参加者を集めたこと。これについては著者自身も意外感を感じているようです。そりゃそうだ、イラク反戦運動やってた頃「いかに参加者を増やすか」を考えて工夫していたのとは全く別のところにポイントがあったんだもの。
でも、その「過去の工夫」もそれはそれで、今は国会正門前エリアのステージに反映されているんでしょう。いろんなスタイルが共存していていいと思います。あくまで「脱原発の実現」というイシューで一致するのであれば。ただ、どんな方法が「今この場面で必要なのか」は状況によって変化するだろうし、柔軟に考えていきたいものです。

他にも、これだけの行動の始まりがどんなものだったのかという様子から、堤防決壊、逮捕者が出たときの状況、日の丸と団体旗の扱い、首相との直接面談、シングル・イシューについてなど、2012年を駆け抜けたこの市民運動について、反原発以外の運動にもヒントを与えてくれると思います。私も読み返したいと思います。
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なお、4月に、この本の著者である野間易通さんを関西にお招きしてのトーク集会があります。詳しくは下記。
http://www.ken-nye.com/article/321884547.html


posted by KEN-NYE at 03:40 | TrackBack(0) | 読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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