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2012年12月17日

自民圧勝、実は133議席しか取れていない?選挙制度の歪みを改めて考える。

選挙結果が出ましたね。
自民圧勝、維新飛躍、民主・未来は惨敗、という感じでしょうか。

私は、とにかく選挙制度の歪みが顕著に出た選挙になったと感じました。
小選挙区制導入当初からの懸念。「政権交代を実現する」。
まあ、自民党に対抗するだけの大きな政党ができれば、政権交代はありえる。
そして、自民党に負けず劣らずの悪政を実施。
その後、それに対する批判によって、自民党が復権するだろう。

見事にその通りになりました。予想どおり過ぎて声も出ません。
その頃に予見していなかったのは、維新という政党が出てきたことぐらいでしょうか。
私は従前から、比例代表制を選挙制度の中心にすべきと考えています。
比例代表制は比較的新しい選挙制度といえるでしょう。欧州(英国を除く)では広く採用されており、欧州議会も比例代表制をとっています。

比例代表制の議席配分方法には、日本などで使われているドント方式と、より少数政党に有利なサン=ラグ方式があります。純粋なサン=ラグ方式は少数政党の一議席目が極端に有利なため、少し補正した修正サン=ラグ方式が北欧などで使われているようです。
そういうわけで、計算してみました。

(データはすべてこちらのサイトから引っ張ってあります)
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2012/

各政党の、全国11区に分かれている比例代表制での得票を全国で合算します。
その得票をもとに、ドント方式、修正サン=ラグ方式(一次基数1.4)、単純な比例分配による計算を出して、今回の選挙結果と比べてみます。
以下、政党名、今回獲得数(小選挙区含む)、ドント方式、修正サン=ラグ方式、比例配分の順です。
(政党の順序は得票数順です)
自由民主党 294/134/133/133
日本維新の会 54/99/98/98
民主党 57/77/77/77
公明党 31/57/57/57
みんなの党 18/42/42/42
日本共産党 8/29/29/29
日本未来の党 9/27/27/27
社会民主党 2/11/11/11
新党大地 1/2/3/3
幸福実現党 0/1/2/2
新党改革 0/1/1/1
国民新党 1/0/0/1

小選挙区制によって、自民党の議席がいかに水増しされているかがよくわかります。
飛躍したように見える維新すら、完全比例代表制ならもっと伸びているのです。
これが、本当の民意なんではないでしょうか?
むろん、完全比例制なら違う政党に入れた有権者もいるでしょうから単純比較はできませんが、民意に近いのはこちらだと思うのです。
自民圧勝に絶望するのはやめておきませんか?
(それより、維新への警戒の方が大切かも)

新党大地、改革、国民新党は、そもそも比例で出馬している選挙区が一部だけです。
他の地域にも支持者はいることでしょう。全国1区なら、もっと票が集まり、議席が取れているかもしれません。
また、実質的に個人で出馬した山本太郎さんは、小選挙区で7万票あまり獲得しています。これは、国民新党の比例票と同程度です。地盤もなく、公示日直前に滑り込みで立候補してこの得票です。しかも、全国からの注目がありました。全国1区の比例代表制で「ひとり政党」として出馬していれば、議席を獲得していた可能性は充分にあります。

全国1区なら、憲法違反と指摘されている「一票の格差」もゼロになります。似た政策の政党で、それでも違いがあって選挙協力ができず共倒れすることもありません。重要な政策で一致していても、それぞれ「どうしても譲れない」部分もあったりするでしょう。選挙協力などしなくても、議会での行動で協力しあってくれればそれで充分だと思うのです。比例代表制ならそれが可能になります。
日本では、55年の保守合同以降長らく自民党による単独政権が続いてきましたが、細川内閣以降は連立政権が続いています。別に衆院で単独過半数を選挙制度によって保証する必要性などどこにもないと思います。連立政権によってお互いの暴走を食い止められるメリットの方が大きいでしょう。鳩山内閣が意外に成果を上げたのは「社民党との連立だったから」ということがあるかもしれない、と思っています。

全国1区がいいのかどうか、完全比例代表制がいいのか、ということになると、今までの日本の選挙制度からギャップが大きすぎるかもしれません。でも、一度の選挙で複数投票するシステム自体がわかりづらくて有権者を遠ざけているように思うし、比例一本でもいいと思います。少なくとも、比例代表制を選挙制度の中心にするべきでしょう、民主主義国家ならば。

分析に使ったファイルをhtml形式で添付しておきます。
2012年選挙結果分析.html

それにしても、被災地で突然の投票時間繰り上げ(つまり、遅い時間に行くつもりだった人が投票できなかった)とか、インターネットの利用を含めて異常に規制が多いとか、日本の選挙制度は問題がいっぱいです。そういうところも変えていかないといけませんね。

おまけ:計算してみて思ったのは、意外に修正サン=ラグ方式とドント方式で差がないこと。
実はサン=ラグ方式に興味があったのでやってみたんですが、修正は一次基数の設定に議論があるのと、無修正の場合は「わざと政党を分けて出馬する戦術が成立しそう」なので、ドント方式の方が無難でいいのかな、という気がしてきました。



posted by KEN-NYE at 19:36 | TrackBack(0) | おかたいはなし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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