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2011年09月13日

これならわかる 日本の領土紛争

先月発売されたばかりの新刊です。

尖閣諸島。
竹島。
東シナ海のガス田。

そして、北方領土。

いずれも、相手国とのナショナリズム合戦があり、感情論になって収集がつかないことの多い問題ですね。
というか、ナショナリズム高揚に利用されている面もあるとは思うんだけど。。。
全てを「自国の領土である」と強硬に主張するのが旨とされ、ちょっとでも譲る姿勢を見せれば「売国奴」と非難されかねない。困ったものです。

それらを国際法の観点から整理し、外交、安全保障、歴史認識にまで踏み込みつつ、「今、必要なのは何か」を明確にしてくれる良書。
領土問題に関心のある人であれば、見解に賛同するかどうかはひとまず置いて、ぜひ読んで欲しいと思います。



まあ、読んでもらうほうが圧倒的に早いし正確なんですが、以下、自分の解釈をメモ的に記しておきます。


著者は、4つの問題の中でもっとも困難なものが竹島問題であるとし、それを第一章に持ってきています。

竹島は、そもそも両国から軽視されてきた。鬱陵島の付属物ぐらいの扱いでしかなかったわけです。
(鬱陵島は韓国領として決着済み)
日本が軍事的要求から竹島を占有した時期があり、敗戦後のサンフランシスコ条約でもどちらの領土であるか明記されないまま、韓国が実効支配して今に至っているんですね。韓国にとっては日本による植民地支配の象徴とみなしていますが、著者は歴史の分析から植民地支配とは切り離して考えることを提案しています。
なにより、一番大切なのは、竹島がどちらに帰属するのかではなく、何が日本の利益になるのか、ですよね。
現時点で日本(国民)が一番困っているのは、日韓漁業協定が守られず、漁業が行えないことでしょう。
タテマエとプライドは脇に置いて(後から解決していく問題として)、当面、漁業権を確保することが先決じゃないでしょうか?


第2章は東シナ海ガス田問題。これは、国際法の観点から言えば日本有利で進んでいる、と言えるようです。もう少し踏み込むと、国際的には日本はかなり不利な位置にあるが、それよりは進んだ位置で、いわば中国側が譲歩している状況です。ただ、中国側からすれば少しでも譲歩していればナショナリズムが爆発します。そこをどう落ち着かせていくのか、が課題となりそうです。


第3章が尖閣。これは、明確に日本領。その中でどう共同歩調を作っていくか、という提案があります。
米中両国の、台湾を巡る思惑が絡んでいるので、一筋縄ではいかないでしょうが。


第4章、北方領土。鈴木宗男氏の名前が出てくるところが興味深かった。四島返還にこだわることで、ソ連との対立が演出されてきた。その後、二島を先行返還したうえで続きの話をしようというところに進みかけたのに、二島返還論は売国的だと潰す動きがあり、また暗礁に乗り上げた状態。
拉致問題と非常に似通ったところがある、と感じました。


とにかく、読む価値は高いと思います。アマゾンへのリンクを貼っておきます(送料無料)




posted by KEN-NYE at 20:49 | TrackBack(0) | おかたいはなし | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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